<2019年8月28日、日本政府は韓国をホワイト国(現在はグループAという名称)から除外しました。
「韓国のフッ化水素の貿易管理に問題があったから」
と日本は説明したのに対し韓国政府は反論。そんなものは建前の理由に過ぎず、ホントは徴用工問題の報復措置の違いない!と日本へ反論します。
両者の言い分がくい違い、争いは平行線のまま。
そこで、フッ化水素とはどういうものなのか、ホワイト国とはなにか、フッ化水素の横流しは事実か、ホワイト国除外で韓国にどんな影響があるかを探っていきます。
フッ化水素とは何か?
日本が禁輸(ホワイト除外)したフッ化水素。
これは水素とフッ素からなる無機化合物で、おもに半導体材料に必要なものです。半導体が何に使われるかといえば、例えば韓国サムスンの代表的な収入源あるスマートフォン。
他にも、パソコンなどにも使われていますね。
今や家電で世界と戦う韓国ですから、半導体を作るための部品が入ってこなければ困るに決まっています。
とくに、純度99.999パーセントの高純度のフッ化水素をエッチングガスといい、半導体作成に欠かせない。この超高純度の製品は現在は日本企業でしか生産できません。
韓国は半導体産業が盛んで、2018年には1267億ドルと実にその輸出額の約21パーセントを占めています。
韓国がホワイト国でなくなれば、半導体製造に不可欠なエッチングガスの輸入が滞るため、韓国経済に大打撃が生じることは避けられません。
ただ、フッ化水素は大量破壊兵器製造にも用いられます。
フッ化水素はウランの濃縮や、毒ガス兵器製造にも使われるので輸出統制品目と指定されており、「そんな危ないものを、テキトーに管理してる韓国にはフッ化水素は売らないよ」というのが日本の言い分です。
(後述しますが、実際には完全な禁輸ではないです)
ホワイト国とはなにか
ホワイト国という名称は日本でしか通用しない言葉です。
少しだけ、難しい説明をしますね(笑)
キャッチオール規制という安全保障貿易管理の枠組みで、大量破壊兵器や通常兵器の開発に必要な貨物の輸出や技術提供の際は、経済産業大臣の許可を要する制度を、日本ではホワイト国と呼んでいました。
このキャッチオール規制の統制枠組みを、「ワッセナー・アレンジメント」といいます。法的効力のない紳士協定ですが、現在は42か国がこの協定に参加しています。
この協定に参加している国々は、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツといった西側の自由主義陣営の国々で、日本も韓国も同陣営の国として協定に参加しています。
そして、この協定に参加する国家間では、同じ西側陣営ということで貿易管理の手続きを簡略化するのが、ホワイト国(現、Aグループ)です。安全保障上、同陣営なので信頼できるというのが、簡略化の理由です。
…結局、どういうことやねん!
とピンと来なかったと思いますが、「貿易って正規の手続きだと面倒だよね。お得意さん同士だし、信頼できる国同士では貿易の手続きもっとカンタンにしようや」という決まりです。
もっとザックリいえば、
「韓国さんは信用できるし、顔パスでいいよ」
と日本が決めていたのがホワイト国。
でも、先程話したようにフッ化水素は兵器転用できます。仮にそんな危険なものをまともに管理していないとしたら…日本は、同じく枠組みに参加するアメリカなどの手前、今まで通り顔パス輸出ができません。
だから「しっかりと管理できないなら、これからは顔パスじゃなくて正規の手続きをしてもらうよ」と日本が韓国に制限したのがホワイト国からの除外という行為。
なので、実際には「禁輸制裁」とは違います。
正規の手続きさえすれば、今まで通り輸入できるわけですから。
フッ化水素の横流しは事実なのか?
輸入したフッ化水素を何に使ったか?
韓国が正確に把握できていない。
これは、輸入したフッ化水素を一部他の国に横流ししている可能性を意味します。特に韓国の近くには、北朝鮮やら中国やら兵器開発に勤しむ国がありますからね。
ただ、実のところ日本政府は韓国に対して明確な証拠を出していません。帳簿のお金に使途不明金があって怪しいけど、それを100%横領したと断言する証拠を出すのは難しいのと同じですね。
ただ1つ、怪しい点はあります。
中国へのフッ化水素横流しの可能性です。
中国は自由主義陣営ではなく、ホワイト国ではありません。ですから、日本からフッ化水素を輸入するのに手続きが必要となります。
それを回避するために、韓国にフッ化水素を購入させて、中国が手に入れるという方法です。これが事実であれば、韓国の文政権が掲げる政策、「経済は中国、軍事はアメリカ」にあてはまります。
韓国のコウモリ政策のつけが、現在の韓国経済の大打撃と国際的孤立の原因といえるでしょう。
ホワイト国除外で韓国にどんな影響が生じる?
まず、韓国経済は打撃を受けます。
フッ化水素を横流ししているかは別として、日本から輸入しているフッ化水素の大半は企業が半導体を作るのに利用している可能性が高いです。要は、まっとうな使い方が大半なはずです。
けど、ホワイト国除外となれば日本からのフッ化水素輸入が遅れる。
そして、半導体を作る材料の供給が少なくなれば、サムスンを始めた韓国の電気企業は大打撃。特に、韓国ってサムスンが異常なまでにGDPを稼いでるので、サムスンの停滞は韓国の停滞になります。
韓国は、フッ化水素の自国製造に乗り出しています。
現在は純度の高いフッ化水素は日本の独壇場ですが、もし韓国が独自でフッ化水素を供給できるようになると、日本は貿易のお得意様を失ってしまうリスクはありますね。
また、経済だけではなく国際世論も韓国には逆風です。
北朝鮮や中国の驚異が大きくなる中で、「兵器に使える材料を危険な国に横流ししている」のが事実なら、一歩間違えれば「敵国」認定されてもおかしくないわけです。
もっとも、お話したように「帳簿の管理で怪しい点はある」けど、「横流しした証拠はない」という現状なので、日本が証拠を提出できない限りは国際社会から表立って批判を受けるような事はないですけどね。
まとめ
冒頭で述べた日韓両国の言い分のくいちがいは、韓国は国内問題である経済の立場から、日本は自由主義陣営の安全保障の立場から、互いの言い分をぶつけた結果だからといえます。
これでは、いつまでたっても話は平行線のままです。どうすれば両国が同じ土俵のうえに立って、問題解決ができるでしょうか。
両者が同じ土俵に立つには、韓国がコウモリ政策をやめることが必要です。
しかし、韓国の文大統領は自己の政策に固執しており、日韓両国の関係改善は韓国の政権が交代しなければ難しいでしょう。
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